(※公開直後に加筆修正)
私との議論を打ち切った後も、小浜耕治(@aoikousi)氏は引き続き、トランスジェンダーを恋愛対象に含めないことは「差別(トランスフォビア)」であるとの主張を展開している。
以下のツイートもそれに関連したものであるけれど、一連の議論に目を通しているうちに、議論の最中には思いつかなかった、ある恐ろしい事実に気がついた。
恋人がトランスジェンダーとわかったら別れるというのは差別的というのが、余り理解されません。
— 小浜耕治(浜姐) (@aoikousi) 2021年8月10日
婚姻だったらどうなんでしょうね?手術や戸籍変更はひとまず置いておいて、性自認が違っていることに気づいて、それを告げたら、それだけで婚姻を継続しがたい事由になりますか?
ならないと思うなぁ。
今年の6月、いわゆる「LGBT新法」をめぐって、与党の提案する「理解増進法」と野党の提案する「差別禁止法」が衝突し、(いったんは「理解増進法」で妥協されたものの)どちらも否決されたことは記憶に新しい。
しかし小浜耕治氏によれば、
配偶者が性別を変更したことを理由に離婚を切り出すのは「差別」であるとのことだから、
仮に「LGBT差別禁止法」が制定された場合に、
配偶者が性別を変更したことは離婚成立の事由にならないどころか、
むしろ離婚を求める側こそが慰謝料を請求されかねない
という事態に至る可能性が出てきたのだ。
そして小浜耕治氏は、一つの政治戦略として、理念法(罰則規定なし)の「理解増進法」ではなく、を足掛かりとしながらも、
最終的には実効法(罰則規定あり)である「差別禁止法」を制定すべきとの立場を表明している。
LGBT新法に関して、むしろ廃案にした方がという人もいるようだけれど、あってもなくても、次の差別禁止法や同性婚までの期間は一緒。特例法に影響ないか?そうなら、施策の地方による格差を埋めるのに必要。また、今回超党派で妥協した責任があるわけだから、野党は後退させない責任がある。
— 小浜耕治(浜姐) (@aoikousi) 2021年6月6日
エイズ予防法1989年→感染症新法1999年、男女雇用機会均等法86年→基本法99年等、改定されるまでに10年以上かかるのは確かにそう。理解増進法は理念法、差別禁止法は実効法で、実効要素を加えるものとなるのだし、他にも同性婚や特例法などの政治課題もある。立法でSOGIを政治課題化する意義は大きい。
— 小浜耕治(浜姐) (@aoikousi) 2021年6月7日
実効法作らない合意なんてしちゃいないと思いますよ。社会情勢変えていけばその機運は高まるんじゃないですか?エイズ予防法は全会一致だったものが、10年はかかりましたけど感染症新法になった。包括的差別禁止法とかもあり得る。
— 小浜耕治(浜姐) (@aoikousi) 2021年6月7日
ようするに小浜耕治氏の“戦略”としては、 いったんは罰則規定がなく実現のハードルが低い「理解増進法」を通してから、 後付けで罰則規定を盛り込んだ「差別禁止法」に作り替えればいいとお考えのようだ。騙し討ちと変わらない気がするが……。
なお、私自身は異性愛者でありながら結婚願望がなく、また当ブログの性質上《レズビアン差別》を前提に考察する習慣があるため、そうした婚姻関係をめぐるトラブルの可能性には思い至らなかったが、
世間の人々にトランスジェンダリズムの危険性を説くにあたっては、むしろこちらのほうが現実的に受け止められるかもしれない。
日々、ブログで《レズビアン差別》を告発・批判する私としては、当然ながらLGBT差別には反対の立場である。
とはいえ、何が「差別」であるかのコンセンサス(共通理解)も確立されず、あまつさえレズビアンが男性やトランス女性を愛さないことも「差別」であるといった“曲解”が罷り通っている現状において、
「差別禁止法」を拙速に定めてしまうことが、差別概念の恣意的な濫用を招き、ひいては公権力にもとづく思想検閲やプライバシー侵害の口実として利用されることは必至である。
今回の国会では見送られたものの、与党のやる気があまり感じられない「理解増進法」はともかく、「差別禁止法」は可決されるまで何度も執念深く提出されることだろう。
どうか「差別禁止法」に反対する方は、そのたびに拙記事を拡散し、トランスジェンダリズムのおそろしさと危険性を周知していただきたいと願う所存である。
(……というか、配偶者が性別を変えても離婚できなくなるといわれたら、「差別禁止法」に賛成する人なんてトランス主義者・クィア主義者を除けば誰もいなくなるのでは?)
成程。今後 #LGBT差別禁止法 が成立した場合、
— 百合魔王オッシー (@herfinalchapter) 2021年9月4日
配偶者が性別を変更したとしても、
離婚成立の事由にならないどころか、むしろ離婚を求める側こそが「トランス差別主義者」と見なされて慰謝料を請求されかねない事態に至るわけですね。
それだけで #差別禁止法 に反対する理由としては十分でしょう。 pic.twitter.com/SEbdb4x5G5