2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧
さて「性的マイノリティ」に目を向ければ、この国ではいまのところ、公の場において在日コリアンに向けられるほどの激しいヘイトスピーチに晒される事態は起こっていない。牧村の「差別」に対する感覚の鈍さもそこに起因するのだろうか。また、この非対称を…
(2015年3月11日 加筆修正)次に、第7章のタイトルに冠している『ホモフォビアとホモフォビアフォビア』という物言いである。同章には《「差別する人たちを差別する」ことの果てしなさ》と題された節も含まれている(p.224)。牧村は、講師役のキャラクター…
なお「レズAV」のSEXが現実のレズビアンのSEXと違うという紋切り型の批判もなされているが(p.155-156)、例によって具体的にどこが違うのかという説明がない。登場人物の台詞に「AVって、男女ものでも現実と全然違うことがほとんどじゃん」という…
(2015年3月11日 加筆修正)さて、そうした“客観的”な「情報」をめぐる解釈や記述の問題とは別に、牧村個人の主観、あえて言えば「偏見」を露呈している部分も散見する。たとえば《「レズもの」のAVが大好き》という男性のセクシュアリティについて、《レ…
しかし、そのような本書の意義をじゅうぶん踏まえた上でも、いくつか重要な指摘をしなければならない。まず《「(女性の)同性愛者」であること》と《「レズビアン」であること》を同一視している点。その認識は『同性愛者であることの苦痛を和らげる方法』…
『百合のリアル』(牧村朝子 星海社新書) レズビアンをカミングアウトしている女性タレントの牧村朝子が、レズビアンを含めた、いわゆる「性的少数者」に関する様々な疑問について、架空のキャラクターによる会話形式で解説する。 かつてレズビアンは「百合…
(註 連載開始前の読み切り作品と単行本の第1巻を読んだ時点の感想であり、アニメ版や実写版を含めたその後の展開については述べていません。あらかじめご了承ください)今週号の「少年マガジン」の巻頭では『聲の形』単行本第2巻の発売に合わせて、作者の…