百錬ノ鐵

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MSNの映画特集に『富江 最終章』

 MSNで現在公開されている『今見たい“旬の女優16人”出演映画徹底ガイド』という特集記事の中で、宮崎あおいが取り上げられており、『富江 最終章 〜禁断の果実〜』も紹介されているのですが――あまりにもデタラメな解説にがっかりしてしまいました。

>ある日、父子家庭の孤独な女子高生・登美恵の前に、左目の下にほくろのある美少女が現れた。彼女の名前は富江。同じ名前と言う気安さから仲良くなるふたりだが、実は富江は登美恵の父・和彦が25年前に愛した初恋の人だったのである。叶わなかった初恋をやり直そうと和彦をたぶらかし、邪魔になる登美恵を殺害させようとする富江。(以下略)

「叶わなかった初恋」に固執していたのは、富江ではなく和彦の方でしょ? だって25年前の富江には別の恋人がいて、当時の和彦はただ富江に片思いしていただけなんだから。

 でも、こういう勘違いしている人ってけっこう見かけます。あの映画のストーリーってそんなにわかりづらいか?

 加えて、富江が和彦をけしかけて登美恵を殺害させようとした理由が、「和彦をたぶらかすのに邪魔だったから」という解釈は、たしかに富江の台詞を額面どおりに受け取ればその通りなんですが、だったら初めから登美恵を誘惑するなんて回りくどいことはせず、ストレートに和彦に迫ればよかっただけの話。

 そう考えれば、「登美恵が邪魔になったから」なんていうつまらない動機ではなく、自分に対する二人の愛を試すために仕組んだゲームと解釈するのが妥当ではないでしょうか? 

 あと、この特集全体に言えることですが、作品のストーリーを完全にネタバレしてしまっているのもいただけません。「ネタバレ注意!」くらい書いておくのが、未鑑賞の読者に対する配慮ってもんでしょうが。その上、文章も稚拙でまったく好奇心がそそられず、プロのライター雇う金をケチってバイトに書かせたのが見え見え。

 ――なお、『富江 最終章 〜禁断の果実〜』についてもっと詳しく知りたい方は、手前味噌ですが僕の運営する私設ファンサイト「柘榴ノ杜(http://zakuro-no-mori.jp)」をご覧ください。ただし「ネタバレ注意!」。