百錬ノ鐵

百合魔王オッシー(@herfinalchapter)の公式ブログです。

レズビアン

「関西クィア映画祭2014」への抗議活動を振り返って

今回「関西クィア映画祭2014」の《レズビアン差別》に対する抗議活動を展開する上で――いえ、それ以前からの信条として――、私のほうからは積極的にレズビアン当事者に呼びかけることをしませんでした。なぜなら私のような立場(「百合萌え」の男性異性愛者)…

総括:「関西クィア映画祭」とは何だったのか

(2014年10月25日 加筆修正)昨日をもって「関西クィア映画祭2014」の開催が終了しました。しかし当方が『公開質問状』で提起した《レズビアン差別》の問題について、実行委員会から開催期間中に具体的な見解が表明されることはありませんでした(「レズビア…

「関西クィア映画祭2014」への公開質問状(1)

『関西クィア映画祭について』 http://kansai-qff.org/#about クィア / Queerって? 英語で「クィア」とは、「オカマ」「ホモ」「ヘンタイ」など、性の領域で“ふつう”ではないと考えられる人々への蔑称でした。これを逆手にとり、あえて「クィア」を使うこと…

セクシズムを行使するのは「被差別者」ではなく【森奈津子】である

(2014年6月1日 加筆修正)先日、「ホモ人狼」ゲームの販売中止を求めるウェブ署名に参加するため、ツイッターにログインしたところ、フォロワーさん経由で森奈津子による次のツイートを目にした。 https://twitter.com/MORI_Natsuko/status/469267119104737…

「差別」に脅かされる当事者を追いつめる“妖怪どっちもどっち”の陥穽〜牧村朝子『百合のリアル』(8)

(2015年7月11日 加筆修正)第7章『ホモフォビアとホモフォビアフォビア』の中で、牧村はレズビアンの講師の言葉を通して次のように述べている(p.223)。 「(前略)女性同性愛者を感覚的に気持ち悪いと思う人自体が魔法のように消えていなくなるわけではな…

〈異性愛男性〉を《レズビアン差別》に追いやる「草食系男子」という“恫喝”〜牧村朝子『百合のリアル』(7)

(2016年3月5日 加筆修正)先述のとおり第7章には『ホモフォビアとホモフォビアフォビア』というタイトルが付けられており、その中には『「差別する人たちを差別する」ことの果てしなさ』と題された節もある。わざわざ一章を割いているくらいだから、牧村に…

「差別表現」自体を擁護・追認するこの国の風潮〜牧村朝子『百合のリアル』(6)

さて「性的マイノリティ」に目を向ければ、この国ではいまのところ、公の場において在日コリアンに向けられるほどの激しいヘイトスピーチに晒される事態は起こっていない。牧村の「差別」に対する感覚の鈍さもそこに起因するのだろうか。また、この非対称を…

「差別する人たちを差別する」というレトリック自体の“差別性”〜牧村朝子『百合のリアル』(5)

(2015年3月11日 加筆修正)次に、第7章のタイトルに冠している『ホモフォビアとホモフォビアフォビア』という物言いである。同章には《「差別する人たちを差別する」ことの果てしなさ》と題された節も含まれている(p.224)。牧村は、講師役のキャラクター…

「レズAV」に「現実」を求めることの不毛さ〜牧村朝子『百合のリアル』(4)

なお「レズAV」のSEXが現実のレズビアンのSEXと違うという紋切り型の批判もなされているが(p.155-156)、例によって具体的にどこが違うのかという説明がない。登場人物の台詞に「AVって、男女ものでも現実と全然違うことがほとんどじゃん」という…

「レズAV」の嗜好を「セクハラ」と同一視する偏見〜牧村朝子『百合のリアル』(3)

(2015年3月11日 加筆修正)さて、そうした“客観的”な「情報」をめぐる解釈や記述の問題とは別に、牧村個人の主観、あえて言えば「偏見」を露呈している部分も散見する。たとえば《「レズもの」のAVが大好き》という男性のセクシュアリティについて、《レ…

《「同性愛者」であること》と《「レズビアン」であること》〜牧村朝子『百合のリアル』(2)

しかし、そのような本書の意義をじゅうぶん踏まえた上でも、いくつか重要な指摘をしなければならない。まず《「(女性の)同性愛者」であること》と《「レズビアン」であること》を同一視している点。その認識は『同性愛者であることの苦痛を和らげる方法』…

牧村朝子『百合のリアル』を読む(1)

『百合のリアル』(牧村朝子 星海社新書) レズビアンをカミングアウトしている女性タレントの牧村朝子が、レズビアンを含めた、いわゆる「性的少数者」に関する様々な疑問について、架空のキャラクターによる会話形式で解説する。 かつてレズビアンは「百合…

レズボフォビアとバイフォビアを再生産する「文学」の装い〜雛倉さりえ『ジェリー・フィッシュ』

今週末に公開される金子修介監督の新作映画『ジェリー・フィッシュ』が女同士の恋愛をテーマにしているというので、その原作である小説を読んでみた。主人公の女子高生【宮下夕紀】と、その恋人で嗜虐癖をもつバイセクシュアルの【篠原叶子】の儚い恋模様と…

バイセクシュアル女性に「AV」のイメージを押しつけて悦に入るリリー・フランキー

(2013年6月26日 加筆修正)タレントのリリー・フランキーといえば、NHK『ハートをつなごう』のLGBT特集にコメントを寄せるなど“ゲイ・フレンドリー”な姿勢をアピールする文化人として知られている。 ハートをつなごう LGBT3 人と人とのつながりメッ…

「コバルト」新人賞の“ヘテロセクシズム(異性愛至上主義)”的百合小説〜桜田エミ『お嬢様のお守り袋』

『マリみて』の新刊が今月末に出るという。何か具体的な情報は得られないものかと思い、書店で「Cobalt」(2012年5月号 集英社)を手に取ったところ、たまたま「第157回コバルト短編小説新人賞」の結果と、その入選作品が掲載されていた。 入選作品は桜田エ…

「レズビアン」が“作られた”のはいつ?

(2013年8月4日 加筆修正)『「レズビアン」「百合」「レズ」という呼称について』の中で、>1870年に刊行された『オックスフォード英語辞典(第2版)』……と記載していましたが正しくは「1989年」でした。謹んでお詫び申し上げます。なぜこのような間違いを…

一ノ瀬文香イメージDVD『Seku-Mai』

『ヒミツノトキ』に続き、グラビア・アイドルの一ノ瀬文香が自身のセクシュアリティである《レズビアン》をコンセプトに制作したDVD『Seku-Mai』を観た。タイトルは言うまでもなく「セクシュアル・マイノリティ」の略である。 とはいっても発売は昨年の11…

一ノ瀬文香『REAL BIAN』登場人物リスト&ストーリー・ダイジェスト

(2014年12月24日 更新)「漫画ゼロワン」で配信中の『REAL BIAN』(原作:一ノ瀬文香 作画:水戸雫)が第13話をもって終了し、いったん区切りがついたところで、登場人物と各エピソードの粗筋をまとめてみました。末尾には総評も加えてあります。「漫画ゼロ…

「プレイボーイ」2009年6月8日号の『「ニッポンAV世論調査」2009』

集英社「プレイボーイ」の今週号(2009年6月8日号)にて『「ニッポンAV世論調査」2009』という特集記事が6ページに亘って掲載されているのですが(P.50-55)、その中のアンケートで「レズ」が「好きなAVのジャンル」ではなく「好きなプレイ内容」に分類…

少子化問題にまつわる同性愛擁護のレトリックを検証する。

ちょうど1年前の今日、私はサイトの中で、ブログ「みやきち日記」における森永みるく『くちびる ためいき さくらいろ』評に対する反論を行なったが、そこで指摘したみやきち氏の場当たり的な物言いは、2009年1月27日付けでアップされた『10代レズビアンは…

グラビア・アイドル一ノ瀬文香が「レズビアン」をカミングアウト

(2019年11月21日 タイトル変更&加筆修正) グラビア・アイドルの一ノ瀬文香(いちのせ・あやか)が、光文社「FLASH」2009年4月21日号において、レズビアンであることをカミングアウトした。 もっともグラドルについては相応の知識があるつもりの私でさえ…

テレビ東京『極嬢ヂカラ』の「レズビアン特集」を観る。

不景気を反映してか、テレビも正月だってのに季節感のないシケた番組ばっかりですが、昨日、なにげなく新聞のテレビ欄を眺めておりましたところ、刺激的なフレーズが目に飛び込んできました。 「密着・女のH レズビアン」 深夜1時からテレビ東京で放映され…

MSNの映画特集に『富江 最終章』

MSNで現在公開されている『今見たい“旬の女優16人”出演映画徹底ガイド』という特集記事の中で、宮崎あおいが取り上げられており、『富江 最終章 〜禁断の果実〜』も紹介されているのですが――あまりにもデタラメな解説にがっかりしてしまいました。>ある日…

TVブロスで『Lの世界』特集

明日、アメリカ発のレズビアン・ドラマ『Lの世界(原題:the L word)』の日本版DVDが発売されます(レンタルも開始)。サンスポに続き、最新号の「TVブロス」でも特集記事が組まれました。 なんと表紙からして大きく『L Culture最前線』の謳い文句。し…

『なぜ男が「百合」にハマるのか?』開設!

(2009年6月22日 追記)この日『なぜ男が「百合」にハマるのか?』を開設。なお当初のタイトルは『なぜ男が「百合/レズビアンもの」にハマるのか。』というものでした。何とも座りの悪いネーミングですが、当時の流行として「百合もの」と「レズビアンもの…

『幻想クイーンVol.1 ホラー・ヒロイン』

「恐怖とSF幻想世界のヒロイン情報誌」を謳う『幻想クイーン』というムック本が出てまして(刊:あおば出版)、そのVol.1は『ホラー・ヒロイン』と銘打たれ、アイドルが主演した和製ホラー映画を特集しています。表紙に安藤希と宮崎あおいの名前があり、「…

「柘榴ノ杜」開設!

本日、『富江 最終章 〜禁断の果実〜』私設ファンサイト「柘榴ノ杜」がオープンしました! くしくも「13日の金曜日」という、ホラー映画のサイトとしては絶好の日にスタートできたこと、とても嬉しく思います。全身全霊を込めてやっていきますので、どうかご…